背中から一撃

死因。

【感想】負けんな漫研!

舞台「負けんな漫研!」を観劇してきました。

 

畠山遼さん演じる網野先輩爆推し視点で見た感想です(まああんまり関係ないと思うけど)
あとこれだけは最初に言っておきたいんですが、某テニス漫画の王国民とハッピーメディアクリエイターの先生の信者、それに某バスケ漫画のオレンジの高校のコンビが好きな人は注意して観たほうが良いかと思います。
もし過激派の自覚があるのなら、最悪観ないことをおすすめします。

 

ストーリー

物語の舞台は、ある地方の高校のお話。
怪我をしてテニス部を辞める事になった主人公の雫(しずく)は、「生徒は必ず部活に所属しなければならない」という校則から次の部活を探していた。そんな中、幼馴染から「マンガ研究部」へ勧誘され、入部する事になったのだが…。
そこは「マンガ研究部」とは名ばかりの、マンガを書いている者などどこにもいない、個性派オタクだらけのオタクの園!
学校で居場所を失った非リア充達の掃き溜めのような場所だった!!
ドン引きする雫に、部員たちはまさかのお願いをする。
「生徒会長になってほしい!どーしてもッ!!!」
実は、この名ばかりマンガ研究部、日頃の活動実績から、部室消滅の危機に立たされていた。

自分たちの唯一の居場所を失いたくないオタク部員達は、リア充テニス部から来た雫に生徒会長になってもらい、その権力で、部室消滅を阻止しようと考えたのだった!

部室消滅の危機に立たされているマンガ研究部の面々に懇願される形で、
雫は生徒会長に立候補することになるのだが…。 

SOLID STAR プロデュースvol.11「負けんな漫研!」


ストーリーを一言にまとめると、リア充vsヲタクってことなんだけれども、作中に出てくるリア充達と漫研のヲタク達の戦いはとてもファンタジーでした。
だからこそ色々取っ払って気軽に見ることができたのかなーと。

話は主人公の白鳥雫がリア充の巣窟、スクールカーストの最高峰であるテニス部から
カースト最下位の漫研に転部するところから始まります。
幼馴染の黒岩晴香が部長だからってことで漫研に入部するんだけれども、そこに居たのはまあ濃いオタク達。

ミリオタの兵藤彩、文豪オタク(文学オタクではなく文豪オタクとは何ぞやと思ってたら読書が好きなあまり文学を越えて文豪オタクになった、ってパンフに書いてあった)の森島漱之介、映画オタクの葉井勝斗、ドルオタの秋原葉、オカルトオタクの神崎未来、加えて引退した元部長(これまでのメンバーは高校二年生なんだけど唯一の三年生)のネトゲオタの網野先輩がわいわい好き勝手にやっているもんだから、雫はドン引きする。

というかこれだけ濃いメンツが揃ってるんだったら学年でも部活的にも有名で良さそうだけどね。

それから、雫は漫研のノリについていけないよーってことで退部しようとするんだけど、顧問の康田先生とか鉄オタの用務員さんに引き止められたり、なんやかんやあって実は雫も晴香と同じように元オタクだってばらされたり(黒歴史扱い)するなどして、結局漫研にとどまることになる。
この、雫が漫画オタクだってバレるくだり、正直網野先輩がもうフルスロットルで見どころしかなかったんだけれども、それは置いといて、自分が雫の立場だったら結構きついよなという印象。

自分も中学までは美術部でそれなりにオープンオタク(流石にBLの話を大っぴらにはしてなかったけど、部活でつるんでた子にオープン腐女子がいたのでばれてたかもしれない)で、高校では漫画の話をあんまりしなくなって、結果雫と同じように隠れオタだった過去があるだけになんとなく彼女が抱いていた危機感も分かるような気がする。
高校生になると中学よりもずっと世界が広がって、このままじゃダメだって思うよね。単純に漫画以外の楽しいことも見えてくるし。

雫が漫研を去ろうとするも、ここで颯爽と登場して一悶着加えていくのが我らが網野先輩。このままあっさり白鳥が漫研を辞めてしまってもいいのか、やりきれないんじゃないか、と晴香に問いかける。
そして雫の好きそうな漫画を持ってこい!と晴香に命じて、その間説得工作(?)に移るんだけど、そこの「オタクの沼解説」がまた身に沁みる。
このままでいいのか、今までに使った時間とお金があればもっと別の事ができたんじゃないかと自問自答していても、オタクは沼から抜けられない、むしろ楽しそうなのだ、と……
心に刺さる~~~~~つれ~~~~~それな~~~~~って感じです。
おたく ほんとうに つらい。
いや正味な話これチケ代とかもろもろのお金を別の事に使えば、、、あれもこれもできたのにナ、、、というきもち。

結局網野先輩から課された非オタ証明の儀式(踏絵ならぬ踏み漫画)をクリアできなかった、むしろしなかった?雫は漫研に残ることになって、すっきりしないもののひと段落、と思いきや漫研にあらたな試練が…
リア充達の集うテニス部はなんと都内でも敵なしでめちゃくちゃ強いマンモス部活(?)なんだけれども、悩みが一つ。それは部室が狭いこと。
そんなら他の部活の部室をもらっちゃえばいいじゃん!ってことで非リアの魔窟である漫研の部室を明け渡すことに。
それを阻止する唯一の方法、それは生徒会長になること。
彼らが通うこの高校は(漫画にありがちな)生徒会長がとんでもなく強い権力を持っているのだ!!

自分たちの居場所がなくなってしまうと落ち込む部員たち。自分たちの様なキモオタでは無理だから、と最後の希望は雫に託されてしまう。迷う雫だったが、雫に立候補されたくないテニス部のパリピ達の手によって、漫研メンバーの大事な物や、幼いころに晴香と描いた思い出のリレー漫画がびりびりに破られてしまったことがきっかけになって、雫は生徒会長選に立候補することを決意する。
そうして、漫研のオタク達の総力を結集した選挙活動により雫の知名度は爆発的になったものの、校内でのPRは難航しまくってしまう。
そんな中、すこしずつ昔のように心を通わせ始めた雫と晴香は、昔のようにまたリレー漫画を再開していく。


そして選挙当日。生徒会選挙の立会演説会。
めちゃくちゃ緊張しいやの雫はボロボロであり、スピーチを読み上げるどころではない状態に。見かねた晴香は、森島が用意したスピーチ原稿を檀上で破ってしまう。
どうせテニス部に負けてしまうんだったら、雫の言葉でしゃべってほしい、と。
そうして雫はゆっくりと話始めるんだけれど、ここから怒涛のオタク丸出しハイテンションスピーチが始まる。自分がオタクであることをぶちまけて好きな漫画の話をいきいきとする雫の姿に勇気づけられた漫研部員たちも壇上に上がってそれぞれの好きな事を叫びまくってやりたい放題。そうして雫は、自分のありのまま、好きなことをやれるような、そんな学校に自分なら変えられるかもしれない!と結んでスピーチを締めくくった。

そうして、雫は生徒会長になり、(決め手は晴香と雫の描いた漫画だったらしい)漫研部員たちの居場所は守られたのだった。


キャストについて

最初に書いたとおり、私は網野先輩役の畠山くん激推しのためそこばっかり注目してしまっている。だから他キャストさんの感想はあんまりないです、、、

今回最初に思ったのは、普段の彼はどちらかというと周囲に振り回される役どころが多いものだからどうかな~なんて思っていたんだけれど、良い意味ではっちゃけた、面倒くさい先輩だったのでとてもよかったです!!
顔芸かな?というレベルでころころ変わる表情(踏み漫画のシーンでは思わず笑ってしまった)、突然始まるいつここの「悲しいときーー!!」パロネタ(これまだ通じるのかな)、テニス部に勝手にネトゲのアカウントを弄られ課金されて殴り込みに行くときのキレっぷり、生徒会選挙の雑なギャルっぷり、その割になんだかいい事も言っていて、どこを切り取っても非常に美味しい役どころだったと思います。

個人的には森島くんと細かいところでわちゃわちゃやってたのがとても面白かったのでついそちらに目を向けてしまった…特に注目したいのは雑なギャルのシーン。でっかいこ二人が隅でちまちまウィッグを被っているものだから、なんだかその姿が微笑ましくて笑ってしまった……ちゃんと森島くんのウィッグを整えてあげる網野先輩優しいね……その後もディレクターズチェアに座って手をぱたぱたさせてる姿、すごく女優だったよ~~~~~

 

最後に雫ちゃんが演説するシーンだけ漫研メンバーが上手と下手に分かれて客席に降りてくるんですが、上手はツインタワーと彩ちゃんの3人だったものだから身長差…となっておりました。晴香に力作のスピーチ原稿を破られて「わお!」と叫ぶ森島くん、その後もずっと涙目でかわいい(1かわいいポイント)し、網野先輩に「泣くなよ……泣くなって、な?」と頭撫でられてるのもかわいいし(2かわいいポイント)、彩ちゃんに「泣かないで?大丈夫??」(3かわいいポイント)と慰められていてかわいいが爆発してました。

 

どのキャストさんも細かいところの動きがいちいち面白くて、目が足りないな~と思う舞台でした。大体どの舞台観ても同じこと言ってるけど。あと雫と晴香の関係性めっちゃ百合だ……と思ったので、エモい百合を浴びたい人とかにはいいかもしれない。

 

私はこの舞台を観て、オタクであることを肯定されたり、夢中になれるものがある自分に自信を持とう!とかそういうことは思わなかったんだけど、軽い気持ちですっきり観劇することができるお芝居だとは思います。テニス部リーダーの役者さんのおぎやはぎの物真似も面白かったし。
今回は2015年に上演されたものの再演みたいだけど、また再演とかされるのかな!?別の役でも見てみたいな~~~~~~